行方

蝉の声から
叢のオーケストラに
変わる頃 夏の思い出は、
日に焼けた肌と共に色あせて
あの日聞いた潮さいと共に
消えて行く
突然の夕立に
君はまるで子供のように
大喜びで駆け回ったね
ずぶ濡のまま
嫌がる僕に抱きつき
キスしたね
しょっぱいキス
海辺の味がした
雨粒と一緒に
大粒の涙が頬をつたい
君は泣いていた
抱きしめた肩が震えてる
思い出の時
思い出の場所
灼熱の太陽がくれた
熱い恋




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